0.はじめに
皆さん、大変です。アノクサがヤバいんです。
アノクサのヤバいポイント
これで少しでもアノクサに興味が湧いた方は是非最後までお読みください。
[変化技1on1とは]
変化技のみを覚えたポケモン一体のみを選出して戦う。定数ダメージや滅びの歌、悪あがきの反動やTODなどで勝負が決まる。
今回の考察はテラスタルなし・サーフゴー禁止とする。
1.ハネッコについて
アノクサの話をする前に話しておきたいのがこのハネッコというポケモン。
種族値 35-35-40-35-55-50 (250)
・打点 :宿り木の種 アンコール 毒の粉
・防御 :光合成 力を吸い取る 守る 眠る 身代わり
・その他:悩みの種 眠り粉 綿胞子 コットンガード すり替え
ハネッコは”宿り木の種を植え付けたら一生粘れてほぼ勝ち”というポケモンです。
もうちょっと詳しく話していきましょうか。
宿り木の種は「ターン終了時、相手のHPを1/8減らし、減らした分だけ自分は回復する」という効果で、HPをあえて最低まで下げることで相対的に回復量が上がり、宿り木の種の回復だけで悪あがきの反動やその他定数ダメージを全回復できます。
そのため宿り木の種が入ってしまえば単一の攻撃(挑発だけ、呪いだけなど)では倒すことができず、TOD勝ちができるのです。
宿り木を無効化する手段は少なく、最も汎用的な対策として身代わりがありますが、特性「すり抜け」によりその身代わりすら貫通できます。
また、メンタルハーブを持つことで初手の挑発も防ぎながら植え付けら、さらに光合成や力を吸い取るも覚えるため環境に多い「眠る封印」に対するメタも兼ね萎えています。
が、弱点も少なくなく、まずは草タイプに対して打点がないという点です。ハネッコが相手にダメージを与える方法は宿り木と毒の粉しかなく、どちらの草タイプに無効となります。ハネッコのHPは低く相手にダメージを与えられなければTOD負けしてしまうでしょう。
また、グライオンの特性ポイズンヒールに弱く、ターン終了時の処理は宿り木ダメージ→ポイヒの回復なため、グライオンにダメージを与えることはできません。そのためHP総量の差でTOD負けしてしまいます。
さらにS操作技を覚えないため、滅びの歌に対しては一方的に判定負けまで持ち込まれてしまいます。
つまりハネッコは強力ではあるものの
という欠陥を抱えているということになります。
2.アノクサについて
ここでアノクサ。
アノクサは端的に言えば超強化ハネッコといった感じです。
僕からすれば「えっ⁉あのハネッコの強化版⁉」とはちゃめちゃに驚いていますが、皆さんからしたらどうでもいい話なのでしょうか。
さて、アノクサは最初にすり抜け宿り木のコンボを発見した際
「ハネッコのほうがHP種族値が低いため、宿り木の相対的な回復量が増えて強い」
と考えて放置していた駒でした。
でも今となってはそんな雑な対応をした過去の自分が許せないほどの超超超有望株でした。
アノクサの基本性能
種族値 40-65-30-45-35-60 (275)
打点 :宿り木の種 呪い 痛み分け 金縛り 怪しい光
防御 :力を吸い取る 守る 眠る 身代わり
その他:恨み
とにかく呪いが偉い。
呪いは「自分がゴーストタイプなら自分のHPを半分削って発動。相手はターン終了ごとに最大HPの1/4だけダメージを受ける」という効果で(すり抜けなので関係ないが)身代わりを貫通する上に定数ダメージ量が多く強力。
何故この呪いという技が偉いのかという話ですが、ハネッコに付きまとう問題の発生源は「ダメージソース不足」にあるからです。
先ほどのハネッコの欠点のうち草タイプに弱い問題はおおむね解決と言っていいでしょう。
呪いの基本戦術
この変化技環境で生きていくには最低限挑発には勝てないといけません。上図のような方法をとれば単調な挑発連打には勝つことができますね。
また、宿り木の種が命中90なのに対して呪いは必中です。そのため、呪いで勝てる相手には命中不安技を使うことなく立ち回り、勝てない相手には宿り木を絡めて勝つことができるでしょう。
アノクサの偉い点まだまだ
ここまで聞いて聡明な変化技愛好家さんはきっとこう思われたことでしょう。
「でも結局S操作技ないし滅びで止まるよね」
非常にお目が高いですね。
でも残念!
アノクサはそんな常識すら打ち砕きます。
そしてその技構成は
神二人 ・滅び 封印 挑発 トリル
ププリン・滅び 歌う まねっこ 眠る
という風にだいたい固定化されています。ププリンの方はどうにもならないのですが、カミ達は回復技を持たないので呪い+宿り木のダメージで滅びの3ターンが過ぎるよりも前に落としきることができます。挑発から入られた場合を右においておきましたが、こちらでも対応可。
他にもアノクサには
- 眠るを封印されても回復ソースが多いためTODに強い。呪いの自分の体力を減らすデメリットも気にならない。
- 痛み分けが回復ソース兼打点として活躍する(定数ダメージが効かないマジックガードへの打点として優秀)
- 草タイプなので宿り木の種が無効
といった長所があります。
またハネッコとの比較ですがHP種族値5の差はあまり関係なく、呪いを習得する分利点のほうが明らかに大きいためアノクサが完全上位互換といって差し支えないでしょう。
ここまでのまとめ
- アノクサの前身であるハネッコはすり抜け宿り木による耐久戦法を得意としていた
- 宿り木の種は「通ればほぼ勝ちだが草タイプには通らない」「ポイズンヒールに弱い」という弱点を抱えていた
- 「誰にでも通るが通っても確定勝ちではない」呪いとのシナジーによりアノクサは最強ポケモンとなった
- 打点が二種類できたことで回復ソースのない滅びに対して勝てるようになった
アノクサ対策
アノクサはハネッコの上位互換であることを考え、ハネッコに勝てるポケモンの中からアノクサに勝てるポケモンを探すのがいいでしょう。
滅びの歌
先述ではあるが、回復技のある(積むスペースのある)滅びはアノクサに勝つことが出来ます。
ハバタクカミなども眠るを積めば対策となり得ますが、アノクサ(とせいぜいドラパルト)にしか効果のない技を積むよりも汎用性のある技を採用するのが丸いでしょう。
メンタルハーブの代わりに回復アイテムを持たせて何とかしようとしましたが、どれも回復量不足でした。
一応、草タイプアルセウスなら滅びを通すことができます。
グライオン
種族値 75-95-125-45-75-95 合計510
打点:挑発 毒毒 砂嵐
防御:眠る 身代わり 守る
その他:剣の舞
特性「ポイズンヒール」により宿り木の種ダメージを打ち消してTODまで持ち込めるため、ハネッコ対策として有用なポケモン。
アノクサとの相性ですが、「毒採用以外アノクサの勝ち」です。
グライオンは宿り木と呪いの2つがついてしまうと体力を回復しきれずアノクサを落としきることもできないため、挑発を2連続で打ってくるでしょう。
なのでアノクサは宿り木→相手の挑発効果で悪あがきとなりますが、グライオンはその悪あがきダメージを回復しきることができないので(ポイヒ分は宿り木と帳消し、眠るとポイヒが消える)TODに持ち込めます。悪あがきの反動は宿り木の回復でリカバーできるでしょう。
ただし、グライオンが毒毒を覚えていると宿り木の種分の回復が追い付かなくなるかもしれません。まだ検証できていませんがいつか表にまとめられればなと思います。
(グライオンだけにかかわらず挑発+毒はアノクサ対策に有効だと思われます。ただ宿り木の回復と呪いの定数ダメージがどうなるか…?)
興味があれば グライオンの技採用意図
・挑発
「相手は3ターンの間変化技が出せない(このルールでは強制的に悪あがきを打たせられる)」という効果の言わずと知れた汎用ウェポン。自分よりSの遅い相手を一方的にいじめられるが、封印されることが多かったり、特性鈍感などには無効化されるなどデメリットもあります。
・毒毒
相手を猛毒状態にする技。鋼と毒タイプには通らず、眠るで回復されるという欠点が重い。だが挑発で眠るを打たせずに悪あがきダメージと毒ダメージで突破でき、眠るを持たない相手には重い定数ダメージを与えられます。
・砂嵐
フィールドを砂嵐状態にする技。単純なダメージソースとしては期待できないが、ターン終了時に定数ダメージを与えられるためTODで有利になれ意外と侮れない。岩地面鋼タイプには無効になるが、自分もダメージを食らうことはない。
・守る
相手の挑発に対してHPを保ち、TODまで持ち込むために守るが必要となります。(後述の眠るだと粗があります。詳しくは後述。)
また、相手のトリック持ちに対して様子見しつつポイズンヒールを発動させられたりなどもします。守るを貫通する呪いには1ターン謙譲することになるので注意。
・身代わり
自分のHPの1/4を削って分身を出す技。アノクサ対面では意味ないが、トリック宿り木痛み分けなど強力な技を防げるため優秀。
優秀ではあるのだが… 如何せんグライオンはSがそこまで速くなく、上から行動されてしまっては身代わりの意味はなく、Sの遅いポケモンは身代わりだけでは対処されないような何かを持っているので採用するかは怪しいライン。
・眠る
眠るは「HPを全回復、状態異常を全回復したうえで2ターンねむり状態になる」という技で一見ポイズンヒールと相性が悪そうに思えるが、ポイズンヒールだけでは回復できなかったダメージを最終ターンにリセットしてTODしたり、受けきれないダメージを一旦回復したりできます。
ただし、その場合眠る封印に弱くなったり、ポイズンヒールの回復を受けられないターンがでるため総合的に見てTODで有利かは不明です。
草タイプ・草食
宿り木の種を無効することができるが、追加で呪いに勝てる駒は多くはなく、汎用性がありアノクサに勝てるとなるとマスカーニャくらいになるでしょう。
種族値 76-110-70-81-70-123 (530)
打点:トリック 宿り木の種 挑発
防御:トリックルーム 守る 身代わり 眠る
その他:まねっこ スキルスワップ 悩みの種
アノクサ対策として考えるなら拘りトリックは必須です。ただし拘りトリックをしたからと言って勝ちではなく、アノクサが呪いを押してきた場合マスカの挑発やPP切れによりアノクサが悪あがきを打ってくるので、呪いの定数ダメージと合わせて落とされてしまう可能性があります。
HB特化にすれば呪いと悪あがきを超高乱数で耐えながら眠るを打つことができ、また身代わりを採用すればHの個体値を下げていても安全に突破できます。
拘りトリック・すり替え
アノクサはSが遅いため上から拘りアイテムをトリックすれば技を固定でき、そのまま有利な展開にもっていけます。
一番の有力候補はエーフィでしょう。
種族値 65-65-60-130-95-110 (525)
打点:トリック 怪しい光 呪い(テラスありなら)
防御:封印 朝の陽ざし 願い事 眠る トリックルーム
その他:まねっこ 欠伸
特性「マジックミラー」により多くの変化技を跳ね返すことができます。アノクサに拘りトリックをする際面倒なのが宿り木の種により技を縛られながらも回復と攻撃をしてくる点なのですが、エーフィには問題ありません。
呪いはマジックミラーでは防げませんが、体力管理をしていればTODやアノクサのPP切れによる悪あがきの反動で突破できます。
ただし、痛み分けで拘られた場合は少し面倒で、PPが20と多くPP切れを狙えず、打点でありながら回復手段でもあるため突破困難です。最終ターンに痛み分けを押されるとHP種族値の関係で確実にTOD負けしてしまうのでエーフィの回復技を願い事にするといいでしょう。痛み分けのダメージをターン終了時に回復できます。
また、願い事は他の回復技に比べてPPが10と多いためGOOD。
他のトリックによる対策だとトリック+毒毒で回復を間に合わせなくするゲンガーもいいでしょう。
ヤミラミ
種族値 50-75-75-65-65-50 (380)
打点:挑発 アンコール 金縛り トリック いちゃもん 鬼火 怪しい光
防御技:スキルスワップ 封印 眠る 身代わり 自己再生
その他:恨み 指を振る
技スキルスワップは「自分と相手の特性を入れ替える」という効果で、ヤミラミの特性いたずら心は「全ての変化技の優先度が+1されるが、悪タイプ相手には無効になる」という効果です。そしてヤミラミは悪タイプ。
つまりスキルスワップを打つとヤミラミは相手の変化技を受けなくなります。
実際色々と穴のある戦法ではあるもののアノクサを倒すには十分ですね。無敵になったらTODするなり挑発やら何やらを絡めて落としきるなり自由です。
今後考えられる対策
列挙します。
-
毒毒 →技スペースによっては眠るを採用しないアノクサも出てくると思うので
- 食べ残し →呪いの「眠る+挑発を守るによるターン管理で突破するループ」を対策できる。宿り木を防げること前提。
おまけ テラスありならどうなるの?
宿り木の種を草テラスで透かされてしまうため総合的にみたら弱体化だと思われます。また、アノクサは霊以外のタイプにテラスしてしまうと呪いの効果が変わってしまうため使いずらいというのも上げられます。
(ヤミラミ対策に悪テラスしたところ、ヤミラミが草テラスしてきた。宿り木は通らないので呪いで突破しよう!…みたいなことができない)
呪いの効果変更を活かしてSを下げ、ププリンに滅びの判定で勝とう!ということもできず、最遅ププリンのS実数値が18なのに対して最遅アノクサのS実数値は58であり四段階下降してもププリンの下を取れません。うーん。
ハネッコほど産廃にはならないとは思いますがちょっと厳しいかも。
3.まとめ
見つけたときは「ガチ最強ポケモン来た!」と期待していたのに案外対策が多くて残念。滅びに勝てるの発見したときも革命だと思ったのですが。
とはいえ勝てるポケモンは一握りでありTier表でいえばSからAになると思います。
一応Tier表も乗っけておきます。異論があれば是非。
使用素材
トップページ|ポケモンずかん (pokemon.co.jp) より幾つか画像を引用
対決背景イラスト - No: 1096942/無料イラスト/フリー素材なら「イラストAC」 (ac-illust.com)